「三文オペラ」(世田谷パブリックシアター)、「たとえば野に咲く花のように」(新国立劇場)
10月は観劇以外のことで充実してしまい、お芝居は本当に少ししか見ていない。ここらへんで一応まだ書いていない芝居のことを言及しておこう。
13日土曜日マチネ。世田谷パブリックシアターの「三文オペラ」。ブレヒト劇を白井晃が演出。吉田栄作、篠原ともえ、ローリー。この「三文オペラ」という話、もとが、どうにもつまらない。そこをがんばって奇抜なキャスト、そして新翻訳の台詞を現代的にしてなんとか面白くしようとがんばっている、といった感じ。
ローリーは台詞でも揶揄されていたが派手なニワトリみたいで役者としてはなんのとりえもなかったが最大の功績は、「空耳アワー」的な歌詞を書いたこと。吉田栄作のメッキーが死刑をまぬがれて「助かった、助かった。台本読んでたからわかってたぜ、ブレヒトありがとう」と歌ったのにはぶっとんだ。それにしてもクルトヴァイルの音楽、上演権の関係なのかもしれないがそろそろなんとかならないか。
23日火曜日マチネ。新国立劇場「たとえば野に咲く花のように」。ギリシャ悲劇の翻案シリーズ「三つの悲劇」二作目。どうなることかと思った一作目に対して、とてもよくまとまっていた二作目。ほっとする。演出が鈴木裕美、戯曲が鄭義信ということでオーソドックスだが手堅くまとめている。永島敏行、七瀬なつみ、山内圭史、田畑智子、など。梅沢昌代、三鴨絵里子など脇がなかなか個性的で楽しい。
「アンドロマケ」=ラシーヌの「アンドロマック」を下敷きにしつつ、朝鮮戦争時の北九州を舞台にしている。ギリシャ劇の背景を感じさせない、その時代の日韓関係を浮き彫りにする戯曲内容は秀逸。それでいてやはり激情はギリシャ悲劇のものだ。ちょっと結末が安易で通俗的な感じもするが、一作目と比べればとてもよいでき。これは見る価値あり。
しかしながらあいかわらず中劇場の広い客席は埋まらない。今回はセット自体が小劇場で収まる作りだし。やっと気がついたのだけれど、ギリシャの円形劇場をイメージしたくてこのシリーズ、中劇場に設定したのではないだろうか。シアタートークがあり、そこで演出家が、もともとは三作共通の装置をおきたいというもくろみがあったがあまりにも三作の世界観が違いすぎて、共通のセットは作れなかった、と言っていたのを聞いてわかった。
やはり企画の設定に難があったようだ。トークでは、それぞれの演出家が、翻案する劇作家を指定したということが判明。ということは一作目の劇作家は鵜山さんが指名したのだ。結構これはショックであった。
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