「ドラクル」(シアターコクーン)
9月12日夜に観劇。3時間10分(休憩20分)。長い。
「ドラクル」ってドラキュラのことなんだな。ジャンヌダルクに従い、ジャンヌの死後に殺人鬼となってしまったジルドレイ?という男の話(歴史的事実?)が素材になっているらしい。長塚圭史の作・演出で初めてのコクーン進出。「ゴシック・ホラー」だそうだ。
吸血鬼となって生き続けるレイ(海老蔵)はリリス(宮沢りえ)という女性と出会って改心し一緒に暮らすが、今度はリリスが逃げてきた元の夫である領主のもとに連れ戻され、レイは本性に戻り、怒りの追跡を行う・・・といった感じ。
長塚の戯曲は、狂気や悪の権化としか思えない登場人物の中に一筋の純粋さや救いをみるというものが多い気がするが、これもそのパターンとも言える。逆に周囲の善良と思えた人々がどんどん露悪されていく。そういう意味では先がある程度読めてしまったし、笑いの少ない会話劇中心で、一幕はホラーらしいところもあまりなくかなり退屈。弦楽四重奏の生演奏もマイクを通してではあまり臨場感がない。(でも明星真由美の女吸血鬼はいいね。)
後半スプラスティックになっていくところでちょっと刺激があるといえばある。前半と後半で出てくる役者を分けてしまうのも以前「桜飛沫」で観たパターンだが、なんか役者の使い方がもったいない気がする。
長塚戯曲は現代物は、現代人の病理的なものがかいま見えて考えさせられたりするのだけれど、時代物はどうも作りが粗雑に感じられてしまって説得力に欠ける。
宮沢りえはキレイだしだんだん舞台女優らしくなってきた感がある。海老蔵はさすがに目力があるねえ。中山祐一朗や手塚とおる、明星真由美、山本亨といった脇の一癖ある役者さんたちが出てくると引き締まってよい。
コクーンでは2月に蜷川演出の「ひばり」が上演されているので、ジャンヌつながり、というのを考えると後日談という感じでちょっと面白いかもしれない。
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