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2007/07/01

「The Bee 日本バージョン」(シアタートラム)

6月23日、27日、28日に観劇。昨年ロンドンで初演を観ているので、どうしても今回の日本バージョンは比較の目でみてしまっていた。ポイントになる演出はロンドン版を引き継いでいる。子どもと犯人オゴロの一役や、鉛筆を指に見立てるところなど。

一枚の大きな紙で舞台装置とするところや、ハイテクな映像が使用されるところは日本版のオリジナル。映像は、ちょっとうるさい感じがした。紙はうまく使われていて、特にドアをぶち破って入るシーンや、トイレの窓を開けるシーンでのナイフで紙を切る音で、それに気づくシーンなどは秀逸な作りだと感心した。

そして最終部の蜂の乱舞とぐちゃぐちゃになる紙に包まれてしまう「死んだ」登場人物たち。あれは虫を殺して紙で包んで捨ててしまうようなイメージに私は捉えた。あの終わり方はロンドン版より迫力があったし、日本版はロンドン版より情感に訴える風味になっているな、と感じた。終わってもなかなか拍手が出ない。観客が圧倒されている観があった。

野田さんの動きはロンドン版のキャサリンの動きをかなり踏襲しているな、と思っていたのだが、何回か観るうちに、野田さんなりの動きになっているところが見いだせてきて、野田の「イド」を作り出していることがわかった。しかしあくまでオリジナルの上に重ねられたものという感もいなめない(日本版すべてにそれはいえる)。だが、俳優野田秀樹の技量を相変わらずまざまざと見せつけてくれる。最後のセリフの不気味さは完全に野田秀樹のもので、オリジナル(キャサリン)を超えていると感じた。

それに、脚本もかなり直されているし、シーンの上でもロンドン版になかったシーンが追加されていたと思う(ロンドンではプレビューしかみていないのでもしかしたら本公演ではあったのかもしれないが。)それは、オゴロの妻が、隙をついてピストルを奪うが、イドの迫力に気圧されて結局手放してしまうシーン。

あのシーンのリアル感というか、あのシーンを納得させるシーンにするにはかなりの技量が必要だろう。あのシーンが日本版の白眉だと私は思っている。

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