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2007/05/12

青年団「東京ノート」

実は4月30日に観たのだけれど、記録していなかったので、書いておこうと思う。

駒場アゴラ劇場にて。1時間40分程度。平田オリザが、現代口語演劇のスタイルを確立した記念碑的作品。初演から13年、世界中にツアーをし、やっと初演のアゴラに帰ってきたとのこと。

94年初演時の劇中設定は2004年。今回の設定は2014年ということで、近未来の日本ということになっている。美術館のロビーを行き交う人々、家族、親戚、友人たちの日常会話から見えてくる人間模様。この会話のリアル感がやはりこの芝居の真骨頂だ。この手法は本当に斬新だったといえる。

それに対して、ヨーロッパで大戦争がおこっていて、オランダにあるフェルメールの絵画が日本に疎開してきている、という設定はあまり現実感がない。こちらはどうもフェルメールを話題にするための方便のように思える。

EU統合の時代にヨーロッパが戦場になり都市への空襲がある、なんてことは起こらないだろう。よくも悪くも核の抑制があるし、戦争のトレンド?はいまやテロとの戦い、中東や第三世界、アジアの方だろう。

だからこの設定は近未来というより、一種のパラレルワールドととったほうがよいだろう。平和維持軍や徴兵制が言及されるが、そちらのほうは、たしかに不気味に現実に近づいている。

ある意味退屈で、強い感動を引き起こすようなタイプの芝居ではないが、その緻密な構成とユニークさによって、驚嘆に値する作品であることは間違いない。

青年団「東京ノート」

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