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2007/05/07

新国立劇場「CLEAN SKINS/きれいな肌」

4月27日(金)、観劇。新国立劇場、小劇場にて。7:00開演、約2時間(休憩あり)

イギリス北部の田舎町で、イスラム排斥運動にのめりこむ元サッカー選手の息子と、つましく暮らす母親。父はいない。そこに、ジャンキーになり家を出て行った姉が、イスラム教徒の姿で現れる。

姉はロンドンで父親に会っていた。実はトルコ人だった父親。差別に耐えられず父を捨てたのは母の方だったことを知る。父親は白人で、暴力沙汰の末、母を捨てたと説明してきた母親。

やけに暗転の多い芝居だな、と半分くらいまで気になっていた。あれは戯曲がつくりがああだと仕方がないのかな。それでもだんだんと引き込まれ、三人のすごい応酬の迫力に圧倒されて終わった。最前列だったせいでもあるか。運命を見いだすギリシャ悲劇にもどこか似ている。

若者のイスラム回帰現象は、3月に観た「囚われの身体たち」でもとりあげられていた。「CLEAN SKIN」とはイスラムに回収した白人をも指す言葉らしい。

そして反動化する若者たちもまた西欧の抱える現在的問題だろう。これはただ、家族のルーツに関わる葛藤などという古い関係を描いたものではなく、きわめて今日的な問題を描いているのだと思う。ただ、それが日本人にはなかなか伝わらないところがあるのかもしれない。

作者がイスラムであることもあるのか、最後には姉の立場によりそって終わっているように思えたが、姉の態度の中にも、原理的な宗教に入った若者特有の、狂気性があるように思えた。

新国立劇場「CLEAN SKINS/きれいな肌」

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