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2007/04/09

『写楽考』(シスカンパニー)

6日はコクーンにて「写楽考」を観る。 矢代静一の70年代の戯曲(読売文学賞を受けているそうだ)を、今回は演出の鈴木勝秀氏が、カット、再構成して、テンポのよいものにしているらしい。上演時間は2時間10分(休憩なし)となっていたから、元は相当長いのだろうな。場面転換には和太鼓と笛の演奏があり、確かにスピーディーではある。

それにしてもいかにも新劇の芝居らしい脚本である。わずか10ヶ月の間しか作品を発表しなかった謎の浮世絵師、東州斎写楽について自由に想像を駆使して、かなり歌舞伎の世話物的な奇抜な物語を作り上げているが、セリフがどう考えても近代人のセリフだし、心理もそれに準じているように思える。だいたい江戸の人間が「自己愛」とかそういう近代語彙を口にしないよ。そういうのが多くてなんかしらけてしまう。

この話は語彙もそれらしくして、歌舞伎にしたほうが面白いかもしれない。堤真一、高橋克美、キムラ緑子、西岡徳馬、七瀬なつみ。うまい役者が余裕でそつなく役をこなしているという感じ(そのなかで長塚圭史のちょんまげはなんとなくぎこちなく感じる)。たいへん勉強にはなったが、個人的に、いわゆる「新劇」の名作と、スズカツ演出の両方が苦手なのだということを再認識してしまったのであった。

『写楽考』(シスカンパニー)

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