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2006/03/20

『エミーリア・ガロッティ』を観る

彩の国さいたま芸術劇場にて、ドイツ座の『エミーリア・ガロッティ』の初日を観る。席についてしまったと思った。早くチケットをとったこともあって、かなり前の中央だったのだが、舞台設定の関係で字幕が舞台の両端に縦に掲示されるため、とてもではないけれども見にくいのだ。後ろを見回すとまだまだ席には余裕がありそうだったので、直前に係員に申し出たら、後方の席に振り替えてくれた。で、結果だが、この公演は俳優の表情とか細かい仕草が結構大きなウェイトを占めているので遠くなってしまったのはちょっと残念だったかもしれない。かといって異様な早口でセリフを話すので、字幕を見なければかなりつらかっただろう。よしあしであった。やっぱりお金がかかっても自分はイヤホンガイドの方がずっといい。

この作品は18世紀の社会悲劇なのだそうで、ドイツでは教科書等にもとられる有名な作品とのこと。この古典的ドラマをそのまま演出するのではなくミニマリズムというのだろうか、エッセンスだけを取り出して、シンプルな舞台装置、現代風の服装の6人の俳優たちがいくつかの場面を演じていく。上演時間は1時間20分くらいだったか。

シンプルでシンメトリーな箱形の舞台というのはあちらの流行なのだろうか。2002年来日のベルリナー・アンサンブルの「リチャード2世」、同じ劇場の昨年来日「アルトゥロ・ウイの興隆」、それに新国立劇場のオペラ「フィガロの結婚」なども彷彿とさせる舞台美術。

異様な早口でセリフがひとしきり語られると、それを追いかけるように仕草の時間。音楽が単調に繰り返される中、それでも大きなドラマが見えて来る力は持っていた。

昨年からベルリンの主要劇場の来日が続き、昨年はフォルクスビューネ、シャウビューネ、ベルリナー・アンサンブルを観て、今年はドイツ座ということで、こちらもベルリンの主要劇場の来日公演を制覇した感じだが、正直言って、今回が一番ぴんとこなかった。演出の意図もわかるし、うまく作られているとは思うのだが、何か内容として訴えかけてくるものがないのだ。昨年の3劇場の作品はどれも、圧倒的に伝わってくるものがあった。しかしこの18世紀の物語が現代に何を問いかけてくるのか、この作品ではよくわからなかった。

確かにスタイリッシュで美しい舞台だ。でも頭で作られた演出。そんな感じがした。最終部の演出も、ちょっと陳腐ではないのか。

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