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2005/04/10

『コミュニケーションズ』(新国立劇場)

「現代劇作家たちによるコント集」と副題のある、新国立劇場の「シリーズ笑い」二作目初日。日本劇作家協会との共同企画でもあるそうだ。渡辺えり子の構成・演出。中身は全21場で、12人の作家によって書かれている。このなかには日本劇作家協会戯曲セミナー生の2人も含まれている。

観劇日 4月8日(金)19:00開演 B2列中央ブロック
上演時間 約2時間10分(休憩なし)

新国立の小劇場に入ると、いつもとちがって、派手でレトロな広告が、まわり中にあしらわれており、ステージも、どこか場末の大衆軽演劇場、といった風情に作られている。このシリーズ、どちらかというと高齢者向けなのだろうか。先月の『花咲く港』に続いて、レトロな雰囲気のコントが続く。なかにはケラ作のようなちょっとブラックなコント(初心者で小心者の「いのちの電話」相談者のコント)などもあるが、ほとんどは、設定も衣装も、昭和の時代を彷彿とさせるようなものが多い。

一応、枠としては、お客がたった一人しかいない劇場の最後の上演、という設定があって、そこの出し物が、それぞれのコント、ということになっているようだ。が、この枠はほんの添え物のようで、あまり生かされているとは言えない。出演者のなかで異彩、とまではいかないが、目立っているな、と思ったのは『走れメルス』の演技がいまだにイメージから抜けない腹筋善之介。個人的には、一番面白かった、鄭義信作の「蟹を食う」のなかで、ちゃぶ台にのってボレロを始めた時には爆笑した。

他に、オジオバのなかに混じって、石井里弥、矢崎広の若い二人はかなり頑張っていたと思う。石井さんは美形にも関わらず体当たりという感じだし、矢崎君はとても若いのに安定していてよい。

ちょっと苦言を呈したいのは、客席なかばの通路の脇に演技スペースがあり、そこでたまに演技が行われること。後ろの観客はいいだろうが、半分より前の観客は後ろを振り向かないと全然見えないよ。シリーズ通し券で先行予約したので座席は選べなかったし。

コントの中では、パンフによれば「つなぎに何か書いて」と言われたという綾田俊樹作の数編が面白いし、彼は出演者としても中心的だ。MONOの土田英生が書いた「坂本」もなかなか面白かった。

新国立のwebで渡辺えり子氏もいっているが、実験的な公演なのだろうと思う。舞台も初日で、まだ手探り、という感もあった。今後調子が出てくるだろうか。
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『コミュニケーションズ』
新国立劇場小劇場 2005年4月8日(金)〜24日(日)
観劇日 4月8日(金)19:00開演 B2列中央ブロック
上演時間 約2時間10分(休憩なし)

構成・演出:渡辺えり子
作:綾田俊樹  いとうせいこう  ケラリーノ・サンドロヴィッチ  杉浦久幸 高橋徹郎  竹内 佑  鄭 義信  土田英生  別役 実 
日本劇作家協会戯曲セミナー第1〜4期生/ふじきみつ彦 武藤真弓
筒井康隆(原作使用)

出演:綾田俊樹 石井里弥 円城寺あや 片岡弘貴 金内喜久夫 神保共子 腹筋善之介 矢崎 広 山崎清介
 
 
 

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4月10日 新国立劇場小劇場に 芝居「コミュニケーションズ」を観に行きました。 [続きを読む]

受信: 2005/04/14 10:53

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