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2005/01/23

パルコプロディース公演・なにわバタフライ

三谷幸喜作の一人芝居「なにわバタフライ」を観た。演じるのは戸田恵子。モチーフはミヤコ蝶々の生涯である。開演前には三谷さんの声で面白おかしくアナウンスあり。10分前と直前の二度。本来の誘導灯の横にチラシの写真を使った「戸田恵子仕様」(三谷談)の誘導灯がつけられている。舞台は楽屋仕立て。

(観劇日 1月21日(金)19:00開演)
上演時間 約2時間5分程度(掲示では120分) 

三谷氏は、一人芝居の特質というのをとてもよくわかっていて、それを最大限に生かした作りになっていたと思う。朝日新聞の劇評で扇田昭彦さんも書かれていたが、舞台装置である楽屋に置かれた様々な小道具を使って、場面設定を生み出していく手法。見えない話し相手を過剰に小さくしたり(父親)大きくしたり(師匠)してマンガチックな軽さを創出したり、そして最終部に明かされるちょっとした観客への裏切りなど、よく研究されている。

舞台の上部でドラムとマリンバの生演奏がなされ、効果音や暗転などを担当する。これはちょっとミュージカル風でポップだ。このバンドを舞台上方におく方法、昨年9月にこの劇場で観たミュージカル「I LOVE YOU 愛の果ては?」と同じである。上記の一人芝居の作りの面白さにしても、昨年シアタートラムで観た、「化粧」にも通じるところがあり、その意味では、斬新でまったく新しい可能性を広げたとまではいえないところがある。

戸田さんは、非常に安定した演技を見せてくれる。約2時間強の上演時間で、少女から熟年の女芸人の半生の変化を表現していた。最終部のサングラスをかけた表情は晩年のミヤコ蝶々を彷彿とさせた気がする。「盗ったものは盗られる」。妻帯者であった師匠と結婚したがやがて離婚、弟子の「僕ちゃん」と結婚するが今度は若い女に夫を奪われてしまう。こうした愛憎の連鎖は、ギリシャ悲劇さえ思わせるといっては大げさだろうか。

しかし、ここが三谷氏の特長なのだろうが、こうした女の一生を描いた後のオチは、非常に世俗的というか軽い、ポップなかたちでつけている。こういうところが、ある人にとっては、重みがないといわれてしまうのだろうが、逆にテレビ受けする所以でもあるだろう。芝居を観に行ってこういう軽みのあるオチにしてくれれば、気持ち良い余韻で帰る人も多い。(ただ欲を言えば、最後はもっとリズム感をもって、すとんと早めに落として欲しかった。半生を語り終え、楽屋の現在に戻ってからが少し長かった気がする。)

こういう全てをポップさでまとめることができるという意味で、三谷幸喜は才能ある大衆作家なのだな、と強く思う。

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パルコ・プロデュース公演 なにわバタフライ
東京公演 12月22日(水)〜1月26日(水) パルコ劇場
(観劇日 1月21日(金)19:00開演)
上演時間 約2時間5分程度(掲示では120分) 全席指定8000円
パンフレット 1500円

作・演出 三谷幸喜
出演 戸田恵子
生演奏 小竹満里 山下由紀子
美術 堀尾幸男
方言指導 生瀬勝久

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