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2005/01/08

オフィス・たま第4回公演 売り言葉

野田地図が「走れメルス」を延々と公演している時に、下北沢で野田氏作の「売り言葉」が上演されるというので足を運んだ。これは2002年に野田秀樹演出・大竹しのぶ出演で上演された一人芝居。「智恵子抄」の詩人高村光太郎の妻で詩集のモデルとなった高村智恵子を題材にした劇だ。

初演は、教育テレビで放送されたものしか観ていないが、野田・大竹という個性が噴出していて、それを観る面白さの方が際立っていたと思うが、そういう色をそぎ落として、むしろ地味に演じられたことによって、歴史上に存在した高村智恵子という人物への興味をわかせるものとなっていたと思う。

戯曲も多少、ギャグを削っておとなしめにしていたようだし、初演では光太郎の存在がバイオリンの演奏によって暗示されていたのに対して、黒子がひとり現れるだけで音楽もほとんどない。面白いなと思ったのは小道具と装置。複数の屏風のようなものを黒子が場面場面で様々に配置して情景を醸し出す。すべて繋げると、阿多々良山(智恵子の故郷福島の山)の稜線になるのだ。その他、ブロンズの鯰や粗末な食事を示す沢庵をどんぶりにつったてた奇妙な料理?などが印象に残った。

安藤さんは声に張りも表情もあり1時間35分を演じきるに十分の実力だと思ったが、私の観た回(8日マチネ)は後半、一部セリフをかんでしまい、それが一番の勘所だったので残念だった(これは「智恵子抄」への売り言葉なのです。のところ、売り言葉、といってから挑戦、といいなおしていた。戯曲では「売り言葉」なので、稽古途中でセリフの差し替えがあったのかもしれず、迷いがあったのかもしれない。)。難しい挑戦を試みたことには敬服したい。やはり高村智恵子への思いというのが大きかったのだろうか。いただいたパンフには智恵子のデッサンと切り絵の写真と年表が載っていた。

この時期、同じ野田氏の「障子の国のティンカーベル」もどこかの小劇場でやっていたようだ。これも鶴田真由でやったときのを見逃しているので本当は観てみたかった。
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【オフィス・たま 第4回公演 売り言葉】
作 野田秀樹 演出 小田嶋学 出演 安藤雅子
2005年1月7日(金)〜9日(日) 下北沢「劇」小劇場
当選招待券にて入場 (全席自由2000円)

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