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2004/12/15

崔版・女殺油地獄

映画監督の崔洋一氏の演出で歌舞伎の有名な狂言を舞台化。蜷川の「タイタス・アンドロニカス」など舞台出演が目立ち始めた真中瞳、それにこの人もだんだん舞台で見かけるようになった原史奈。この二人が好みなのでついつい観にいってしまった。

映画監督が舞台の演出をやるのが一番の心配だったので観に行くかどうかチケットを取る段階でかなり躊躇した。絵にこだわりすぎることが多いからだ。実際、舞台美術はなかなかきれいだ。冒頭のスローモーションで登場人物が現れるシーンはなかなかと思ったが、続いてのケンカのシーンは実際に蹴ったりしていたし、くどかったのでそこですでに引いてしまう。

肝心の演技指導はなされたのかどうか。台詞の聞こえない役者さんもおり、肝心の芝居巧者が少ない。母親役の方が一番良かったように思える。パンフを買わなかったためキャスト名がわからず。不親切である。原はそこそこ。きれいどころの役は果たしていたと思う。(個人的にはホント好みである。)

真中は相手役の賀集をよくリードしていたと思うが、主役級はまだ荷が重いか。セリフ回しの間が長いのは演出の指示か? 初日のせいか役者の緊張感が客席に移り、笑いがすべる。これは回を重ねればこなれるかもしれないと期待させた。実際後半は笑いも少し起こっていた。語り手らしき武士が作者の近松として設定されていることが後半になってやっとわかる。こういう枠組みはわかりやすく示してほしかった。この近松の人物造形はいやらしく、創作家らしき部分が感じられない。

最終部の凄惨な殺人シーンの後、長い暗転。油の始末をしなければならないのだろうが音楽だけでは間が持たない。幕前に語り手の近松でも出して、この顛末を語らせればいいものを。そして最後もスローモーションでひっぱろうとするが、拍手をしたくてうずうずしている客とタイミングが合わず。やはり映画監督の演出は、ちょっと、と思わせた。映画館で「血と骨」を観たほうがよいかもしれない。

予想されていた上演時間より長く、非常に疲れる芝居だった。

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コメント

DVD化されないのですか?

投稿: くみちゅう | 2005/06/10 16:14

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